顎偏位と全身疾患(不定愁訴は顎偏移が原因かも)
この本は大阪大学名誉教授の丸山剛郎先生が書かれたものです。
丸山先生は18000名にも及ぶ患者さんの顎偏位の治療を行ってきています。
顎の偏位はかみ合わせや歯並び、日常の生活習慣、癖(頬杖、片側噛み、うつぶせ寝など)、歯の喪失など様々な原因によって起こります。
顎の位置がずれると頸椎のゆがみや背骨のゆがみ、骨盤や全身のバランスが崩れてしまいます。
さらに全身の疾患とのかかわりについても著書で述べておられます。他科で治療しても改善しない場合はこの本をご一読されることをお奨めします。
特に多いのが肩こり、首コリ、片頭痛ですが、顎の偏位とは関係がないと思われるような症状が起こっていることは少なくありません。
私は以前、ナソヘキサグラフという顎運動を3次元的に解析装置を使い多くの患者さんの顎変位と顎運動について解析してきました。
100人のうち91人に顎の偏位が起こっており、歯列弓、特に上顎の犬歯間幅径が理想的な人は顎偏位起こっていないことがわかりました。
日本人は海外の人のように小さいころに矯正治療を受けて歯並びを治す習慣が根付いていないので、ほとんどの方が叢生や不正咬合があり顎偏位を起こしているといえるでしょう。
顎偏位を起こしていても特に若い方は肩こりも首凝りもなくて全く症状がない方も多いと思います。しかし、年配の方に限らず原因不明の体のだるさ、慢性疲労、偏頭痛や身体の様々な不定愁訴に悩んでいる方が少なくありません。このような患者さんはドクターショッピング、内科や心療内科、整形外科や耳鼻咽喉科、整体やカイロプラクティックなどを受信しても改善せずに悩み続けることになります。
人間の頭蓋骨はボーリングのボールぐらいの重さ(約5㎏)に約1kgの下顎骨が筋肉や靱帯でぶら下がっている状態ですので顎偏位は容易に起こります。
整体では背骨や骨盤の歪みを治療してくれますが、肝心な顎偏位を治療することはないので一時的に改善しても症状が再発してしまうことが多いと思います。また体の不調を血液学的検査や栄養学的に改善を試みることも行われますが、顎偏位の診断が全く行われていないので症状が軽減したとしても軽微に終わることが多いようです。
当院では顎偏位の矯正を特殊なマウスピースで修正する治療を行っています。またメタトロンによる波動療法や栄養療法、高濃度ビタミン点滴療法、血液オゾンクレンジング療法などを併用して統合治療することも可能です。
顎偏位が大きくずれている場合はマウスピースだけでの治療が困難な場合もあり矯正治療や補綴治療が必要になることもあります。
顎偏位の治療は自由診療となります。詳細はお問合せしてください。