口臭

口臭の原因と治療法

口臭の原因には

1 口腔内の疾患(虫歯、歯周病、歯根破折)

2 口腔外(鼻、喉、呼吸器系、消化器系の疾患)

に大別されますが、今回は口腔内の疾患によって起こっている口臭について解説します。

特に強い口臭の原因となる虫歯、歯周病、歯根破折について解説します。

①虫歯でも口臭が強く出るのが失活歯(神経を抜いた歯)で、根の治療が不完全な状態では根管から強い口臭が発生します。

治療法 マイクロスコープ(手術用顕微鏡)を使用した精密根管治療を行います。感染歯質が多量で完全除去できない場合は抜歯になる場合もあります。

②不適合な被覆冠(被せ物) 被せ物と歯の間に隙間があり汚れや細菌のたまり場になり、強い口臭が発生します。

治療法 被せ物を除去して感染歯質をマイクロスコープを使用して徹底的に除去して、新しい被せ物にします。虫歯が歯肉縁下から深く進行している場合は、歯根の挺出(矯正的に歯根を骨の中から引っ張りあげる治療)が必要となってくる場合が多いです。

③歯根破折 失活歯(神経を抜いた歯)は血流がなくなるため、経年的弱くもろくなり、破折することが多くなります。歯根破折すると咬合痛(かんだ時に痛い)や歯肉の腫脹が起こります。破折ラインに汚れが入るので、非常に強い口臭が発生します。口臭は本人が気づいていない場合も多いのですが、歯根破折の場合は自分でもわかるぐらいの強い口臭が発生します。

治療法 抜歯になります。破折ラインが浅く、早期に発見できた場合は接着によって抜歯しないで治療できる場合もありますが、再度破折するリスクがあります。歯根破折を起こす方は夜間の歯ぎしりやくいしばりが強いので、ナイトガードの装着やボトックス治療が必要となります。咀嚼筋肥大を起こしたりエラ張りが顕著な方はボトックスが有効です。

④重度の歯周病の方は自分の口臭に気づいていないことが多いようです。さらにカンジダが多く検出される方は口臭がより強くなる場合があります。カンジダが見つかったからすぐに抗真菌剤を服用したり、抗真菌剤を含んだうがい薬を安易に使うことはお奨めしません。

治療法 まずは歯周病菌の除菌が必要ですが、抗菌剤をなるべく使わないようにしています。安易に薬を使うと、耐性菌が出現したり、口腔内細菌叢が悪化してしまうリスクがあります。当院ではPOICというタンパク分解型除菌水(次亜塩素水)でホームケアを行っていただき、スイス式予防処置のPMTC(プロによるバイオフィルム除去を推奨しています。必要に応じてメタトロンによる食事指導を行います。

※POICとは

 

 

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