マイクロスコープ

マイクロスコープを使うことができる保険適応の根管治療について

ブナの杜歯科クリニックではできる限り抜かない矯正治療、痛みが少ない麻酔、ジルコニアやセラミックによる審美治療、レーザーによる痛みが少ない歯周病や歯科治療、エナメル質をできるだけ削らないダイレクトボンディング、マイクロスコープを使用した精密虫歯治療や根管治療、MTAセメントを応用した歯髄保存処置、CTを応用した痛みや腫れが少ないインプラント治療、外れにくい精密義歯(入れ歯)、ホワイトニング、美容歯科、顎関節症や歯ぎしり、食いしばりに有効なボトックス治療、アンチエイジング外来、メタトロン、スイス式虫歯、歯周病の予防(GBT)、口臭治療など多岐にわたり歯科治療を行っています。

今回は保険適応されているマイクロスコープの根管治療についてです。当医院では2012年にCTを導入しました。CTを導入してわかったことは通常のレントゲンでは写らない根尖病変や治療されていない上顎第一大臼歯の※MB2が意外に多いのに驚きました。しかしMB2に根釧病巣が見つかっても、MB2の根管を見つけることはかなり困難な場合が多いのです。そこで2012年CTを導入した後すぐに1台目のマイクロスコープを導入しました。現在ではマイクロスコープを2台設置しており、必要に応じて様々な診療に応用しています。これらが保険適応されたのが2年前ですから、当医院は保険適応される数年前から設備投資したことは正しかったと思っています。

※MB2:上顎第一大臼歯の近心頬側根の2番目の根管で、50%以上に発現し、発見されずに放置されることが多い根管です。マイクロスコープの非常に明るい光原と拡大視野により発見率が高まります。

マイクロスコープを導入してからは、これまでの治療では困難だった治療が可能になり、抜かなければならない歯もたくさん助けることができるようになりました。

前置きが長くなりましたが本題の保険治療が効く根管治療についてですが、現在は※4根管または※樋状根に対して歯科用3次元エックス線断層撮影装置(CT)及び手術用顕微鏡(マイクロスコープ)を用いて根管治療を行った場合に、手術用顕微鏡加算として400点を所定点数に加算することができます。またCTの撮影費用は別にかかってきます。

※4根管:上顎第一大臼歯や下顎第一大臼歯がおもな対象になります。

※樋状根:下顎第2大臼歯で根管形態が樋状になっているもの。

つまり、平成31年2月6日現在、4根管や樋状根のみにマイクロスコープやCTが保険適応されている理由は裸眼や拡大鏡だけでは治療が難しく、これらを使用することで治癒率が高くなるということを示唆していると思われます。ですからマイクロスコープとCTは切っても切り離すことができない設備となっています。現在のところは4根管と樋状根のみ保険適応で、それ以外は保険適応されていません。

今は歯内療法専門医や歯科大学での根管治療はマイクロスコープを使った治療が標準となっています。しかしながらマイクロスコープが広く普及しない理由のひとつとして、使いこなすまでには一定の訓練が必要で、覗けばすべての歯科医師がすぐに治療を始められるものではありません。私もマイクロスコープを導入した当初は、診療が終わってから毎日、歯を削る練習をしたものです。

4根管や樋状根の根管治療に保険が適応されていることは良いことですが、たいへん残念な部分もあります。今、根管治療の根充材として信頼性が高く広く世界的に使われているMTAセメントが保険適応されていないことです。特に※パーフォレーションや根尖が破壊されているケースではMTAセメントは絶対に必要です。つまりCTで病変を確認し、マイクロスコープで治療したとしても、MTAセメントが根管充填しなければ治癒は期待できないということです。ですから、パーフォレーションがある場合は、当医院では自由診療で根管治療を行っています。

※パーフォレーション:不可抗力により人為的に形成されてしまった根管壁や根尖の破壊

当医院ではマイクロスコープを2台設置していますので、必要に応じて保険の治療でもマイクロスコープを使用しています。ただし、手術用顕微鏡加算として400点を所定点数に加算することはできないので通常の保険治療と費用は同じになります。例えば生活歯髄切断や歯冠歯折の確認などです。

また保険適応外になりますが、CTやマイクロスコープ、ライトタッチレーザーやMTAセメントを使用したほうが良い場合は自由診療で治療を行うことも可能です。

最後にCTやマイクロスコープやMTAなど優れた器具機材があったとしても、治癒率は100%というわけにはいきません。神経を抜く治療はできる限り受けないように、歯髄を保存する治療を優先すべきですし、もっとさかのぼって予防する、つまり虫歯にならないのが一番だということは言うまでもありません。

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