睡眠時無呼吸症候群/矯正

下顎後退症

ブナの杜歯科クリニックではできる限り抜かない矯正治療、痛みが少ない麻酔、ジルコニアやセラミックによる審美治療、レーザーによる痛みが少ない歯周病や歯科治療、エナメル質をできるだけ削らないダイレクトボンディング、マイクロスコープを使用した精密虫歯治療や根管治療、MTAセメントを応用した歯髄保存処置、CTを応用した痛みや腫れが少ないインプラント治療、外れにくい精密義歯(入れ歯)、ホワイトニング、美容歯科、顎関節症や歯ぎしり、食いしばりに有効なボトックス治療、アンチエイジング外来、メタトロン、スイス式虫歯、歯周病の予防(GBT)、口臭治療など多岐にわたり歯科治療を行っています。

今回はできる限り歯を抜かない矯正治療の中で下顎後退症についてです。文字通り、上顎は正常なのに下顎が後方に後退してしまった不正咬合です。成人まで放置していしまうと外科的矯正治療が必要になることもあります。しかし、成長発育期、学童期に治療を開始すると良好に治癒するケースが多いので、下顎後退症は早期(8歳前後)に治療を開始することをお奨めしています。

下顎後退症のデメリットととして、顎関節症や舌も後方に押し込まれていびき、睡眠時無呼吸症候群の原因ともなります。また下顎が後退しているために側貌が悪くなり、著しい場合は鳥様顔貌となってしまうこともあります。

治療法ですが、叢生(歯並びのでこぼこ)がある場合はデイモンシステムによるワイヤー矯正を行いながら、下顎を前方に牽引するために特殊なマウスピースを併用していきます。叢生がごくわずかで、捻転歯がない場合はマウスピースのみの治療を行います。

また下顎後退症の原因として上顎歯列弓の狭窄していることがしばしばみられます。この場合は上顎歯列弓を拡大する必要があります。また上顎歯列弓が狭窄する原因として口呼吸があげられます。

口呼吸の原因としては、上咽頭の慢性炎症、鼻疾患があります。上咽頭の慢性炎症にはMgを使った鼻うがいが有効です。鼻疾患がある場合は耳鼻科的な治療が必要です。

アレルギー性鼻炎の場合は食事の改善もひじょうに大切になります。

このように下顎後退症の原因を探っていくと

下顎後退症→上顎歯列弓の狭窄→口呼吸→鼻疾患

という風につながっていきます。

とくに最近多いのはアレルギー性鼻炎です。重症化してこじれてしまう前にアレルギー体質を改善することが最も望ましいのですが、歯科でこのような話をしても実行してくれる方が少ないのが残念です。アレルギー体質改善だけでなく、全身の健康予防、虫歯、歯周病予防にもつながるのでぜひ正しい知識を持っていただきたいと思います。

ちなみにアレルギー体質を改善するために控えたほうが良い食べ物を記しておきます。

腸・肝臓・腎臓・牌臓・リンパ系に負担をかけるもの
精製糖類…白砂糖、氷砂糖、ザラメ、ブドウ糖、果糖、乳糖、オリゴ糖
果物…バナナ、パイナップル、メロン、マンゴー、オレンジ、ブドウ、柿、梨
香辛料
アルコール飲料
清涼飲料…ジュース、コーラ、スポーツ飲料、ドリンク剤
動物食品…肉、牛乳、魚、卵、練り製品(ハム、ソーセージ、かまばこ等)
油脂…バター、マーガリン、ラード、ヘット

特に糖類、乳製品、小麦、肉類やトランス脂肪酸は取らないようにして、玄米(農薬に注意してください)を中心とした穀菜食にするのがお奨めです。

治療例ですが初診時です。

次の画像がマウスピースによる治療後3年半の状態です。

治療:特殊なマウスピース矯正(矯正の金具やワイヤーは未使用)

治療期間:3年半

治療費用:108,000円+ 5,000円(月に1回)×治療期間月数=180,000円

治療期間中のデメリット:マウスピースを使用するために、会話できません。マウスピースの使用は自宅に居るときと就寝時です。ただし、歯磨きや食事中ははずします。

治療のメリット:この症例では矯正のブラケットやワイヤーを装着せずに治療が完了したので、ブラッシングや食事は通常通り行うことができました。

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