矯正/食いしばり 歯ぎしり

クロスバイト(交叉咬合)は早期に矯正治療をしたほうがいい

クロスバイトとは上下の歯が逆の被害関係になっている咬合状態です。下の画像のように中心から2番目の歯が内側に入り込んでいる状態です。上の歯が下の歯を覆いかぶさるような関係が正常ですが、逆の状態になっていることがわかると思います。

原因は歯槽と歯の大きさのバランスが取れていない、つまり歯の大きさに対して顎が小さいのが原因です。

クロスバイトは審美性を悪くするだけでなく様々に害をもたらします。たった1本の歯の被蓋関係が悪いだけ、単なるボタンの掛け違いに見えるかもしれません。しかしながら、クレンチング(歯の食いしばり)、偏咀嚼、顎関節症、咀嚼筋群の疼痛、頚や肩凝り、歯根破折、歯周病の進行などです。

クロスバイトの部分で上下の歯がロックしたような状態になるので通常はクレンチングが主体で、歯ぎしりは起こりません。歯ぎしりが起こらないので症状としては軽く見られがちですが、生体へのダメージはかなり大きくなります。

また前歯のロックにより咀嚼運動経路が制限されるために偏咀嚼となります。右側にクロスバイトがあれば、右咬みになります。右でばかり咬む偏咀嚼が長く続くと、偏咀嚼側の咬筋が肥大して左右の顔貌が非対称になります。

また夜間にクレンチングが強くなり、時間の経過とともに咬筋が徐々に肥大して、筋力がますます強くなり、クレンチングの力はさらに増してきます。

男性で咬筋が非常に強い場合は神経がある生活歯でも歯冠歯折起こすことがしばしばあります。

また夜間のクレンチングにより睡眠の質も低下します。起床後に首の凝りや肩凝りが見られる場合はクレンチングしていることがほとんどです。さらに自律神経の不調をきたしたり、ホルモンバランスが崩れたり、免疫力低下にもつながります。

このような状態になると歯科を受診するのではなく、医科を受診する患者さんが多いのですが、ほぼ100%クロスバイトが主原因であると診断されることはありません。さまざま検査を受けても異常なしと診断されたり、副腎疲労と診断されたりするでしょう。クレンチングが原因で副腎疲労にもなることは十分に考えられますが、肝心のクロスバイトに治療をやらずに副腎疲労の治療をやったとしても対処療法にすぎません。

クレンチングが強く、奥歯に神経を抜いてある失活歯がある場合は歯根破折を起こすことがよくあります。

根本的には矯正治療が一番のお奨めの治療になります

諸事情で矯正治療ができない場合は、症状を軽減させるためにボトックス治療を行います。

咬筋肥大を起こしている場合が多いのでボトックス治療は必須になることが多いです。

Home Telephone Consultation Access