矯正/食いしばり 歯ぎしり

過蓋咬合(ディープバイト)は早めに治療をしたほうがいい!

過蓋咬合とは上の前歯の下の前歯に対してか見込みが深くなっている状態です。過蓋咬合でさらにリスクが高い状態は上の歯が内側に傾斜している場合です。このような咬合状態では下顎が前方に全く動かなくなります。すなわち、強い食いしばり(クレンチング)を起こしてしまいます。また過蓋咬合だけでなく下顎が後方に偏位しています。

治療は矯正治療になります。内側に傾斜した上の前歯を外側に傾斜させて、下顎を前方に位置づける装置が必要になることが多いです。専門的にはⅡ級コレクターといいますが、固定装置と取り外しが可能な可撤式装置とがあります。

可撤式装置には床タイプのものとマウスピースタイプのものがあります。

固定式のものは日本人には適合しない場合が多いです。

当医院で最も使用頻度が高いのが可撤式のマウスピースタイプのものです。可撤式のマウスピースは下顎を前方に位置づけるのにひじょうに効果が高い装置です。下顎を前方に位置づけるだけでなく、舌の位置や口腔周囲筋ののトレーニングにも応用可能です。また、わずかな叢生であればマウスピースでおおむね改善することが多いです。

しかし、マウスピースは異物感、違和感が強いという欠点があります。また鼻疾患があって、口呼吸の患者さんには使うことができません。使用時間は下校後に自宅で数時間と就寝時です。

口呼吸の方やどうしてもマウスピースが使用困難な場合もあります。この場合はレジンを上の前歯の裏側に接着して下顎を前方に誘導します。

鼻疾患がある場合は、耳鼻科的な治療を同時に行う必要があります。耳鼻科的な疾患がない場合でも鼻の通りが良くなるように鼻うがいを指導することもあります。

最終的な治療目標は被蓋関係を浅くして、下顎の前方、側方が自由に行えるようになり、クレンチングを軽減させることです。さらに側貌を改善することが目標になります。また、左右どちらかに下顎が偏位している場合も多く、この場合は正中(上下の前歯の中心のライン)ラインを一致させるように治療を試みます。ただし、下顎の骨の長さ自体が左右非対称になっていうことも少なからずあり、その場合は正中ラインが一致しなくなります。下顎が大きく成長する過程で、早めに治療を開始することが重要だと考えています。

また、当医院では治療を早期に(8歳前後)開始したほうが、治療費用の負担が少なくなるようなっています。

過蓋咬合は下顎が十分に発育しきっていない学童期に問題を起こすことは多くありません。しかし、成長発育が終わり過蓋咬合として咬合が確立してしまうと、喰いしばり(クレンチング)による顎関節症、首や肩凝り、偏頭痛の原因になりやすいです。また、奥歯に失活歯(神経を抜いた歯)がある場合は喰いしばりによって歯根破折を起こすことがしばしばあります。

矯正治療が行えない場合は対処療法になりますが、ボトックスが有効です。

 

 

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