予防歯科/歯周病/矯正

矯正治療は虫歯や歯周病だけでなく、全身の疾患の予防になる

先日、フェイスブックを見ていたらこんな記事が出ていました。タイトルは

虫歯治療の古い常識 先進国で「銀歯」が主流なのは日本だけ

現在の日本での小さな小範囲の虫歯の治療はコンポジットレジン(白い詰め物)で、大きな虫歯や隣接面(隣のはとの境目)に及ぶ虫歯では12%金銀パラジウム合金(銀歯)が主流です。

銀歯の問題点は審美不良、金属アレルギー、エナメル質より硬い、適合精度、電磁波過敏症など様々なデメリットがありますが、保険が効くという理由で奥歯の治療に多く使われています。

そもそも外国人に比べてなぜ日本人は虫歯や歯周病が多いのでしょうか?

日本の多くの方は歯並びやかみ合わせに問題がありますが、矯正治療を受ける方はごくわずかです。私は小学校の学校歯科医をやっていますが、矯正治療を受けている学童は多くて一クラスにに2~3人というのが現状です。

私は旅行が趣味のひとつで東南アジアに出かけることがあります。タイやインドネシアでさえ、ひじょうに多くの方が矯正装置をつけています。

また予防先進国のスウェーデンやフィンランドでは虫歯や歯周病が全くないのが当たり前になっています。

なぜ、日本人は歯並びやかみ合わせが大切だということを認識してくれないのか歯痒い思い出いっぱいです。

自分の歯並びに関心を持ち、あるいはコンプレックスを持つということは海外の人にとってはごく普通のことで、それをきれいに治したいというのが当たり前の考え方です。そしてお金をかけて矯正治療をしたわけですから当然歯を大切にします。もし虫歯になったとしても、お金をかけてセラミックやジルコニアなどの審美的な被せ物を選ぶでしょう。

残念なことですが、日本では子供の教育やスポーツ、趣味や嗜好品には投資しますが、歯並びを治す矯正治療に投資する方があまりにも少ないのが現状です。

お隣の韓国のドラマに出てくる人たちは歯並びが悪い人はいません。肌もきれいですね。

歯並びが悪いと歯磨きがやりにくいわけですから、虫歯や歯周病に罹りやすくなります。磨き残しが多くなるので虫歯菌や歯周病菌が繁殖しやすくなります。悪玉菌が多い口腔環境にもかかわらず、糖質を摂取してしまうとたちまち虫歯になってしまうわけです。

おじいちゃんやおばぁちゃんの代から歯が悪い(虫歯の治療を繰り返し、歯周病に罹っている)わけです。そして子供、孫へと虫歯菌や歯周病菌は感染していきます。こういう状況になると、「歯が悪い家系」と片付けられてしまいます。

虫歯や歯周病は全身の疾患とかかわりがあることがわかってきています。スウェーデンでは子供の矯正治療や個々の歯科疾患のリスクを把握して予防に取り組み大成功しました。その結果として認知症や寝たきりが激減し、さらに医療費も大幅に減ったそうです。

つまり歯並びを子供のころから矯正して、良いかみ合わせにして、歯を磨きやすくして、口腔疾患を予防することは健康で長生きして、国家的には医療費の高騰を抑えることもできるわけです。さらに審美的な歯並びを維持しようとする、維持しなければいけないという自覚が芽生え、幼少期から歯を大切にするという意識が生まれてきます。

日本の今の現状は、歯ならびが悪く、虫歯や歯周病に罹る。審美性に劣っても奥歯の見えないところは保険が効く銀歯を選択してしまう。また虫歯になって治療を繰り返し、挙句の果てには歯を失い義歯(入れ歯)が必要になってくる。これを親子代々繰り返すという悪循環に陥っています。

真の健康増進、予防のための提案です。

1 歯並びを子供の頃に矯正して治す。もちろん歯を抜かない矯正が治療が理想的です。

2 家族ぐるみで口腔内の悪玉菌を除菌する。

当医院ではPOICによる家庭でのセルフケアと歯科医師や歯科衛生士の専門家によるGBTを推奨しています。家族ですからスキンシップもしますから、家族間感染を予防することです。

3 リスクに応じて定期的な専門家による口腔ケアを継続する。特に歯並びが悪い方は頻繁にGBTを受けることをお奨めします。

テレビをみていると、政治家やスポーツ選手、芸能人でも歯並びが悪い方が多く、笑ったときには銀歯が見えてしまうことが多いです。これは海外の方からみるとすごく変な国民としてみえるでしょう。

日本にも早く世界共通の口腔の審美の大切さが広まることを期待しています。

 

 

 

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