歯を抜かない矯正治療/矯正

矯正歯科の選び方

平成17年の状況ですが、日本にはコンビにより多い65522軒の歯科医院があります。その中で矯正歯科を標榜している歯科医院は19142軒です。つまり歯科医院のうち3軒に1軒は矯正歯科を行っていることになります。

歯科で標榜できるのは歯科、歯科口腔外科、小児歯科、矯正歯科です。例えば歯科だけの標榜で小児の歯科治療を行ってはいけないということはありません。また標榜はできませんが、インプラント専門医だけがインプラント治療を行うことができるわけではなく、歯科医師なら誰でも行うことは可能なわけです。歯周病専門医だけが歯周病を治療するわけではありません。

つまり矯正専門医でなくては矯正治療を行ってはいけないということではないということです。

それでは患者さん側からすると矯正治療をする場合にどんな基準で矯正歯科医院を選べばよいのでしょうか?やはり矯正専門医が良いのか?

結論から言うと、患者さんが希望する治療内容を行っている矯正歯科医院を探すべきだということです。

例えば、顎を広げる治療として一般的に行われるのがリッジエクスパンション(急速拡大装置)というのがあります。これは上顎に顎を広げるためのねじを埋め込んだワイヤー装置を付けて、毎日患者さん自身がねじを巻いて顎を広げる治療です。顎を広げると書きましたが、最終的には正中口蓋縫合という上顎骨の中心の骨の縫合部を割ることになります。当然ながら毎日、毎日患者さんは目に涙を溜めながら痛みを堪え巻いていかなければなりません。ひじょうに苦痛を伴う治療だそうです。

私はこの治療を知ったときに、自分の患者さんには絶対に急速拡大装置は使うべきではないと思い、今現在でも使用したことがありません。緩やかにワイヤーで痛みを伴わない緩徐拡大装置を使用しています。またデイモンシステムのナチュラルなワイヤーによる拡大治療を行うので患者さんはほとんど痛みを感じずに快適に治療を受けることができます。

また、できるだけ自分の歯を抜かないで矯正治療を受けたいという患者さんが圧倒的に多いのです。しかしながら、当医院に矯正相談に来られる方のほとんどは、矯正専門医で抜歯して矯正治療をしなければならないといわれたということです。抜歯矯正のすべてを否定するつもりはありませんし、必要なら行うべきだと考えています。しかし、矯正相談に来られる大半のケースは抜歯しないでも矯正治療が可能と思われる症例です。

また当医院で使用しているデイモンブラケットの大きな特徴としてシャッター式のスライドを持っているので、従来の矯正装置のようにエラスティックやリガチャーでワイヤーを1歯ずつ固定しません。リガチャーやエラスティックでワイヤーを結さつするときに痛みがでます。デイモンブラケットのシャッター式でワイヤーを固定するので、摩擦が少なく、弱い力で歯を動かしますので、治療中の痛みは大幅に軽減されます

痛みを伴う治療を好む患者さんはいませんから、患者さん側も矯正歯科意を選ぶときはどのような治療が行われるのか、どのような矯正装置を使うのか、痛みを伴う治療なのかどうか、本当に抜歯をしないと矯正治療ができないのかどうか、などを検討すべきだと思います。

それともうひとつアドバイスするなら、マウスピース矯正しかやっていないとか、床矯正しかやっていないという矯正歯科は避けたほうが良いと思います。たまたまうまくいく症例もありますが、うまくいかない症例もありうるということです。うまくいかなった場合、一番つらい思いをされるのは患者さん自身だからです。

また外科的に骨を切る必要がある場合や骨格的に難易度が高い治療が必要な場合は矯正専門医への受診をお奨めします。

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