予防歯科/歯周病/食いしばり 歯ぎしり

定期健診に通っているけど歯周病が治らない?

明けましておめでとうございます。

今回は歯科医院に定期的に通っているにもかかわらず、虫歯ができたり歯周病が改善しないのはなぜか?について解説していきます。

野生動物は歯を磨かないのに虫歯や歯周病になりません。人間は歯を磨いていいるにもかかわらず虫歯や歯周病に罹ってしまうのはどうしてでしょうか?また海外の人は甘いものを食べるのに虫歯になりにくいのはどうしてでしょうか?

原因は次の通りだと考えています。

1 日本人は歯並びが悪い人が多く、食いしばりや歯ぎしりが起こりやすくなる。その結果、歯に過剰な力が加わり、エナメル質の構造破壊が起こり虫歯が発生してしまう。

2 日本人は虫歯菌や歯周病菌を持っている人が多い。その結果、家族間で菌の感染を起こしてしまう。

それではどのようにすれば確実に虫歯や歯周病を予防できるのでしょうか?

歯並びが悪ければ磨きにくいので、できる限り早く矯正治療を受けるのが一番の予防になります。海外に出かけると矯正装置を付けた方、特に成人女性を多く目にします。残念ながら、日本人は口腔の審美に対する意識が海外の方に比べると低いといえます。

また家族間感染を防ぐには、家族ぐるみで、口腔内の除菌をすることをお奨めします。市販の歯磨き粉で磨いていても除菌はできません。当医院では次亜塩素酸水を応用した除菌を推奨しています。また同時にGBT(Guided Biofilm   Therapy)というスイス式の歯周病治療・予防を推奨しています。歯周病だけでなく虫歯予防にもなります。

GBTは2017年に日本に紹介された新しい方法です。ヨーロッパでは従来の歯周病治療では十分な効果が得られないと立証され、GBTの治療コンセプトが確立されたそうです。従来の方法では歯周病や虫歯の根本原因であるバイオフィルムを除去できないのです。

GBTはエアーと水と特殊なパウダーを専用のハンドピースから高圧洗浄機のように噴射してバイオフィルムを除去していきます。スケーラーという器具で根の表面をガリガリ削ったり、歯茎を傷つけることがないので痛みがほとんどありません。また歯茎の下まで(歯周ポケット内のバイオフィルム)バイオフィルムを除去できます。

歯茎の下の歯周ポケット内の歯石を取るときにスケーラーという器具を使いますが、このときに目に見えない顕微鏡レベルの傷がつくことが立証されています。この傷にバイオフィルムが入り込んでしまい、取ることができなくなるわけです。傷の中に入り込んだバイオフィルムが虫歯や歯周病の原因になります。

ここでバイオフィルムについて説明しておきます。

バイオフィルムとは最近と最近が手をつなぎあって強くなったものです。家庭内でいうとキッチンや風呂場のヌメヌメと同じです。抗生物質や防腐剤は効きません。ましてや家庭内で使うような除菌剤は口腔内で使えません。このバイオフィルムを破壊してくれるのが次亜塩素酸水(POICウォーター)です。

GBTで使用するパウダーは食べることができる材料を使用しているので誤って飲み込んでも害はありません。パウダーを水圧で高圧洗浄機のように歯面や歯間部、歯周ポケット内に噴射します。短時間で効率的に歯や歯肉を傷つけることなく、バイオフィルムや着色を取ることができます。

多くの歯科医院で行われているPMTC、専門家による歯面清掃ですが、次のような方法で行われていることが多いようです。まず歯周ポケット内を超音波スケーラーやエアースケーラーで洗浄し、PMTC用のペーストで歯面を回転ブラシやポリッシャーで磨く。これらの方法が歯周病や虫歯予防に役立っているのであれば問題ありません。

しかし実情は定期的にまじめに歯科医院でPMTCを受けているにもかかわらず、虫歯の再発を繰り返したり、歯周病が進行して歯を失ってしまう方が少なくありません。重度歯周病の方は歯周病菌の除菌を確実に行ったうえで、歯周補綴を行う必要があります。

次亜塩素酸水は食品添加物に認可されているので安全性が高く、除菌の効果も優れています。しかし、次亜塩素酸水は万能水でも魔法の水でもありません。砂糖や糖質を過剰に摂取することは歯や歯周組織だけでなく身体にも悪影響を及ぼします。たまに嗜好品として楽しむことは良いと思いますが、いつでも好きなときに好きなだけ甘物を食べることは良くありません。

GBTについてさらに詳しく知りたい方は専用のHPをご覧ください。

https://www.ems-dental.com/ja/gbt-extended

Home Telephone Consultation Access