予防歯科/歯を抜かない矯正治療/食

予防歯科医が教える虫歯ゼロの子供に育てる方法 1

年に1回、1,6歳児、3歳児の歯科検診に出かけます。1,6歳児というと乳歯が16本ぐらい出ているお子さんが多いです。もちろん個人差がありますから、16本より少ないお子さんも沢山います。ほとんどのお子さんは虫歯はありません。しかしわずかながらすでに虫歯ができてしまっているお子さんもいます。またこのまま放置すれば絶対に虫歯になるだろうという、虫歯の前段階の白濁を認めるお子さんがいます。

「甘いものを日頃から摂る習慣がありませんか」と尋ねると、「そうです。」という答えが返ってきます。ある保護者の方は、熱が出たときにお茶を飲まなかったのでジュースを飲ませてから、お茶を飲まなくなったと言っていました。それはそうです。一度、甘いジュースの味を知ってしまったら、お茶よりジュースを欲しがるとは当然です。

ここで質問ですが、ジュース1本にどのぐらいの砂糖が含まれているでしょうか?ジュースの種類にもよりますがシュガースティック5~6本分は入っています。最近はほとんど見かけなくなりましたが、ジュースや乳酸飲料を哺乳瓶に入れていると哺乳瓶う蝕といって前歯がほぼ全滅、虫歯だらけになります。

3歳前後で一番奥の第2乳臼歯が出てきます。虫歯ができやすいのが一番奥と奥から2番の歯の間です。また咬む面の虫歯も多く見られます。どちらにしても糖質過剰が原因です。咬む面や歯と歯の間の隣接面う蝕は初期の状態では見つけることが難しいです。

1,6歳ぐらいまでは甘いものを極力避けてきたご家庭でも、だんだんと緩んできます。特に、お兄ちゃんやお姉ちゃんがいるとおやつの影響を受けてしまいます。そして3歳児検診で虫歯が見つかるというパターンが多いようです。

治療のために始めての歯科医院へ。しかしお子さんは何をされるか不安で一杯です。ここで治療を急いでしまい、無理やり治療したり、痛い思いをさせてしまうとお子さんは歯科治療に恐怖を抱いてしまい歯の治療を拒絶してしまうようになります。せめて甘いものをやめてくれれば虫歯の進行を遅らせることができるのに、一度覚えてしまった甘いものの魅力には勝てません。虫歯どんどんひどくなりついには痛みが出てしまう、という悲惨な結果になります。

1,6歳ぐらいから歯科に通い始め、歯科に慣れさせておくことも重要です。虫歯になったときの治療のためではなく、虫歯にしないようにするための予防のために定期的に通うのが理想的です。

そして最も大切なのは6歳臼歯を虫歯にしないようにすることです。特に乳歯を虫歯にしてしまったお子さんは虫歯菌、ミュータンス菌が多くいるので、おやつ指導とシーラント、場合によってはフッ素塗布が必要です。

ミュータンス菌が多くなってしまったお子さんは除菌することも大切です。当医院では次亜塩素酸水による除菌が安全性が高く効果が高いのでお奨めしています。

また7~8歳で前歯の永久歯が出てきます。前歯がきれいに歯が並ぶためには発育空隙が必要です。発育空隙というのは乳歯の歯と歯の間に成長発育とともに1mm程度の隙間ができてきます。発育空隙があるお子さんは、いわゆるすきっ歯状態のお子さんは歯並びが良くなることが多いです。逆に隙間がほとんどないお子さんは永久歯の歯並びがほぼ悪くなると思って間違いありません。

歯並びが悪くなった状態をそのまま放置して小学校の高学年や中学生以降に矯正治療を希望すると多くの場合は抜歯矯正となります。当院ではなるべく抜かない矯正治療を行っています。しかし治療開始する時期が遅くなればなるほど、治療期間が長くなり費用もかかっています。

矯正装置というと歯の表目につける金具とワイヤーもありますが、お子さんの場合はマウスピースを使った筋機能矯正やクリアライナー矯正など当医院では、症例に応じて最も経済的で効果のある方法を提示しています。

もうひとつ大切なことがあります。同居しているご家族のお口の状態です。過去の虫歯の治療をたくさん受けている、あるいは今も虫歯があるというのではお子さんもあっという間にミュータンス菌や歯周病菌に罹ってしまいます。虫歯菌や歯周病菌は人から移ります。お子様のお口を守りたいのなら、まずご両親が自分の口を守る必要があります。

3つ子の魂百まで、3歳までに基本的習慣を身に着けましょう。

まとめ

1 1,6歳までにかかりつけ歯科医院をもつ

2 3歳になったら奥歯の咬む面と隣接面の虫歯に注意

3 6歳臼歯を絶対に虫歯にしない

4 6歳で歯並びが良くなるかどうかは発育空隙で判断できる

5 予防矯正治療は早め(7~8歳)にスタートしましょう

当医院ではブナっ子クラブで予防歯科を実践していますので問い合わせしてみてください。

 

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